今回は設立十周年を記念しておこなわれた
上方漫才協会の特別興業と取材会の様子をレポートします。
惜しまれながらも8月18日に閉館を迎えるよしもと祇園花月に
今をときめく人気芸人さんたちが大集結!
2025年5月19日、吉本興業より「よしもと祇園花月」の閉館が発表されました。2011年の開館より地元の人に親しまれ京都を訪れる多くの観光客らも足を運んだ京都で唯一のお笑い専用の常設劇場が、惜しまれながらもその幕を閉じることとなりました。
8月18日の閉館が間近に迫る同月2日、「上方漫才協会十周年記念 特別興行」が開催されました。
上方漫才協会は、大阪のお笑い文化の継承と発展のために、舞台に立つ若手漫才師たちのサポートを行なう協会で、よしもと漫才劇場の立ち上げ時に設立、協会が主催する上方漫才協会大賞は芸を磨く若手芸人たちの目標のひとつになっています。
「上方漫才協会十周年記念 特別興行」は満員御礼の大盛況でした。
協会発足時より同協会会長をつとめる中田カウスさんの挨拶で公演がはじまりました。
猛暑の中、会場を埋め尽くした満員のお客さまへのお礼の言葉に続いて10年間を振り返っての率直な感想が語られました。
「本当にびっくりするくらい若手が育った。漫才劇場の存在がとても大きかった。」
「お笑いの興行を『寄席』と呼ぶ言い方がありますが、寄席は『才能の寄せ集め』と思ったりします。」
と目を細めて若手の成長を称える姿が印象的でした。
出演はよしもと漫才劇場で芸を磨いた上方協会大賞各賞の歴代受賞者たち。
ガクテンソクさん、トットさん、アインシュタインさん、すゑひろがりずさん、見取り図さん、バッテリィズさん、エバーズさん、もりやすバンバンビガロさん。
人気と実力を兼ね揃えたそうそうたるメンバーの集結が上方漫才協会10年の実績を何よりも物語っているように思いました。
バッテリィズ・エースさんいわく
「上方漫才協会は『海賊団』。」
公演後の取材会に潜入しました。
満員御礼、大変な盛り上がりで公演が閉幕。
お客さんたちが引いた後の会場で出演者全員が勢揃いしての取材会が始まりました。
「みなさんにとっての上方漫才協会とは」
記者さんからの質問に、見取り図・リリーさんは「実家」と表現し、バッテリィズ・エースさんは大好きな“ONE PIECE”に絡めて「海賊団」と答えました。他メンバーのコメントも協会への親しみと感謝が滲んでくるものでした。
通りで今日の公演、どのネタも特段に面白くて、どの芸人さんからもいつもにも増して熱気を感じたはずです。
なぜなら協会への恩返しの思いがこもっていたんだから。
と、勝手に納得した次第です。
これからの上方漫才協会の取り組みに話が及ぶと中田カウスさんから若手育成のための新しい試み
「中田カウス 漫才のDENDO NEXT」
を今年9月から始動するという構想が発表されました。
よしもと漫才劇場や渋谷よしもと漫才劇場、よしもと福岡 大和証券劇場などがその舞台となるようです。
その後、よしもと祇園花月閉館の話題から話は1987年に閉館した京都花月劇場に。
「京都は芸どころ。大切なところなんです。」
と中田カウスさん。
懐かしさも手伝って取材会が終わった後も居残って貴重なお話を聞かせてくれました。